企業戦略としてのSNS利用、急速に浸透中・ツイッターも猛追
2009/12/03 07:34
欧米では日本以上にインターネットを企業戦略の中に取り込み、営業ツールとして活用している。【アメリカの上位企業100社のうち過半数は「ツイッター」を広報メディアとして活用中】や【米経営陣がソーシャルメディアを使う理由・使わない理由】などにもあるように、ハードルはあるもののそれは決して越えられないものではない。最近では特にFaceBookやMySpaceに代表されるSNSなどのソーシャルネットワークを使いこなし、さまざまな効用を受けているようだ。【eMarket】では先日、それを裏付ける資料の一つとして、アメリカ企業によるソーシャル系メディアの利用状況と、それがうまく使いこなされているかどうかについて調査したマサチューセッツ大学のダートマス校にあるマーケティングリサーチセンター(The Center for Marketing Research at the University of Massachusetts Dartmouth)の調査結果【Social Media in the 2009 Inc. 500: New Tools & New Trends(PDF)】を紹介していた。今記事ではそれをかいつまんでみてみることにする。
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調査対象となったのは「Inc. 500」誌による、アメリカで成長いちじるしい企業トップ500にランキングされた未上場の会社。3年間に渡り、主要ソーシャルメディアの利用の是非について尋ねたところ、最新の2009年においてはSNSがもっとも多く80%、次いでツイッター(Twitter)が第二位の52%を占めている。ブログは45%、オンラインビデオは36%。
米企業が使ったソーシャル系のメディア(複数回答)(Social Media in the 2009 Inc. 500: New Tools & New Trends)
興味深いのはこの3年間の変移で、SNSやブログが急上昇を続けているのに対し、オンラインビデオやPodキャストなどの利用率が下がっていること。一時的なものかもしれないが、費用対効果を考えた上での決断の可能性もある。そして「何も使っていない」企業は劇的に減少し、2009年では10社に1社の割合を切っている。また、3年の間のソーシャル系メディアの流行り廃りを半ば反映しているのも興味深い。
これらのメディアを使った企業は、そのほとんどが多かれ少なかれ「うまくいった」という有効性を認識している。経年と共にその満足感が減ったのはオンラインビデオだけで、それもわずかな値でしかない。
米企業が成功裏に使えたソーシャル系のメディア(各利用者に対しての割合)(複数回答)(Social Media in the 2009 Inc. 500: New Tools & New Trends)
ほとんどのメディアが年々その「有効性」の認識度が上がっており、今後ますます重要視されていくことが予想される。
それではその重要性そのものについてはどれくらい認識しているのだろうか。ソーシャルメディアが事業やマーケティング戦略にどの程度重要性があるのかについて尋ねたところ、「とても重要」「やや重要」がそれぞれ4割前後を示している。「あまり重要でない」「全然重要でない」と比べればはるかに割合は多い。
ソーシャルメディアが自社の事業やマーケティング戦略にどの程度重要性があるのか(Social Media in the 2009 Inc. 500: New Tools & New Trends)
元々老舗の企業と比べて新興系の企業だから、そしてコストが安くつくからなどの理由でインターネット関連の技術には積極的に手を出していることもあり、これらの値はアメリカの優良企業全体と比べればやや高めになっている可能性はある。とはいえ、有効な手段は積極的に取り入れ、感度の高いアンテナを駆使して流行りにはすぐに飛び乗り、トップをひた走ろうとする姿勢は、見習うべきものがあるといえよう。
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