映画館で映画を観ない3大理由「高い」「行くのが面倒」「観たい映画が無い」
2009/11/26 07:25
マイボイスコムは2009年10月23日、映画に関する調査結果を発表した。それによると、調査母体においてはこの半年間に映画館で映画を観ていない人は4割強に達していることが分かった。それらの人の「観ない理由」としては「料金が高い」がもっとも多く、「観に行くのが面倒」「お金をかけてまで観たい映画が無い」が続いている。映画館と映画そのもののが現在抱えている問題を象徴しているようなデータともいえる(【発表リリース】)。
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今調査は2009年10月1日から5日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1万3515人。男女比は46対54で、年齢階層比は30代33%・40代30%・50歳以上22%など。
同調査別項目では映画を観るスタイルとして「地上波のテレビで観る」人がもっとも多く、次いで「DVDやビデオをレンタルして観る」「映画館に足を運んで観る」の順となり、映画館での視聴は3番目に甘んじている。それでは、この半年間に映画館に足を運び、映画を観た回数はどれくらいだろうか。調査母体においては「0回」がもっとも多く42.8%を占めた。逆に考えれば、少なくとも5割強の人はこの半年で1度は映画館で映画を観た計算になる。
あなたは普段映画をどのようにして観るか(複数回答)
各項目の中央値を元に平均値を出すと1.67回。半年で2回足らずというのは、多いのか少ないのか微妙なラインといえるかもしれない。
それでは「ゼロ回」の人、つまり「映画館で映画は観ない」人に、なぜ映画館で観ないのかその理由を複数回答で聞いてみたところ、もっとも多かったのは「映画館料金」だった。
映画館を利用しない理由(複数回答、映画館で映画を観ない人限定)
もっとも映画館料金がグンと値上げされた話は耳にしたことが無い。しかし【「映画は好き」でも「料金高いね」7割超える】にもあるように、料金が高いというイメージは強い。これは別項目にもあるように、多種多様な視聴スタイルが提供され、それらのコストが安いため、相対的に高いと感じてしまうことによるもの。要は「映画館料金は高い」は「映画館料金は(他の映画の観かたと比べて)高い」というわけだ。
次いで多い理由は「わざわざ観に行くのが面倒」。これは3番目の理由「お金をかけてまで観たい映画が無い」にも連動するものだが、昔なら「映画館で観る」「テレビで放送されるのを待つ」「観ない」の3択しかなかった映画への選択が、今やレンタル・ネット経由、有料放送など多数に及んでおり、逆に「映画館で観る」ことのハードルを相対的に押し上げてしまったことによる。
4位以降の項目は視聴者本人の事情(家で観たい、忙しい、近くに映画館が無い)などもあるが、「映画館以外でも観る方法がある」という項目も多く見受けられる。これは直上でも触れているが、「映画をわざわざ映画館で観なくても良い」環境を創りだす要因となっている。
要は映画館を利用しない理由としては、映画館そのものの「絶対的な」原因もさることながら、周囲環境の変化・選択肢の増加により、「相対的な」存在価値の低下によるところが大きいと見てよい。観る側としては「便利になったことこの上なし」だが、映画館としてはしかめっ面をせざるを得なくなるというわけだ。
「時代の変化」「技術の進歩」といえばそれまで。映画館側としては変わりゆく環境に対し、どのように対処すべきかを真剣に考える必要がある。「シネコン」はその回答の一つといえよう。
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