模型にしか見えない不思議な写真手法「ティルトシフト」で撮られた・創られた情景たち
2009/11/28 08:42


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迫りくる蒸気機関車
いきなり「これはちょっと卑怯だろ(笑)」と言われかねない作品。オモチャのような着色をしているだけに、蒸気機関車がますますミニサイズに見えてしまう。奥行き・構図も巧み。

緑に囲まれた滝と橋
鉄道模型などで実際にジオラマ(ミニチュアの情景)を作った人なら分かると思うが、木の質感を出すのは非常に難しい。このような「模型のような実写」を見ていると、こんなものが造れれば……と思うことしきり。

公園
ティルトシフトレンズを使って写真を撮れば何でも情景がミニチュアに見えるわけではない。写真内の構図や色合いなど、それなりに修練を積んで「見える仕組み・コツ」を学ぶ必要があるようだ(実際、今回のリンク先でも「ちょっとこれは難しいだろ」というレベルのものもある)。その意味ではこれはよく出来た秀作。ピンセットでつかめそうなくらいだ。

スタジアム
仮に模型だったとしても「これは造るのに難儀どころではないだろう」というレベルのもの。どうやら動的なものより静的(非生物)なものの方が「ミニチュア」に見えやすいようだ。

公園その2
人が映り込んでいるが、上手い映り方をしており、ミニチュアらしさをプラスしている作品。

波止場
最後はこちら。ヨーロッパかどこかの波止場。波の部分などを見ると「どうやっても模型じゃ無理だろ」とも思われるのだが、建物やその周囲の木々が先に目に入ると、模型っぽいという先入観が意識を支配してしまい、川や船の部分までミニチュアに見えてしまう。
元記事では他にも多数の、そしてリンク集としてさらに色々なティルトシフトレンズによる作品が掲載されている。機会があれば色々とチェックして、堪能すると心地よいひと時を過ごせるに違いない。
なお、「実は」という話になるが、これらの写真のうち何枚か、そして元記事やそこで紹介されているリンク写真のうちいくつかは、ティルトシフトレンズによって撮影されたものではなく、通常の情景写真を加工して模型風に見せた、いわゆる「逆ティルト」「ティルトシフト フェイク」と呼ばれるものである(例えば4枚目のスタジアムと最後の波止場の写真がそう。他にもいくつあるかもしれない)。
ある程度のコツとソフト(フォトショップなどの機能豊富なグラフィック処理ソフト)が必要になるが、ティルトシフトレンズを購入して実際に撮影するよりはハードルが低い。【ニョッキ。】や【Design Walker】をはじめ、多数のサイトで具体的な作成方法が説明されているので、興味がある人は試してみると良いだろう。普段から情景写真を撮り歩いている人には、新しい表現方法を得る良い機会かもしれない。
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