日米共に衣服がトップ、米は食品より娯楽・旅行をカット!-日米節約比較
2009/11/25 07:35
日本リサーチセンターは2009年11月19日、「第4回・WIN 消費者信頼感指数調査」の結果を発表した。それによると、金融危機発生以前と比べて過去3か月において、切り詰めた家計の支出項目でもっとも高い数字を出したのは、日本・アメリカ共に「衣料品/履物/アクセサリー購入費」だった。まずは「衣食住」の「衣」から削るという考えは日米共に変わらないようだ。もっとも第二位以降は、日本は「食料品や日用雑貨品」「外食・娯楽費」なのに対し、アメリカでは「外食・娯楽費」「旅行費用」の順になるなど、両国で順位に違いが見られる(【発表リリース】)。
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今調査は2009年9月から10月にかけて、UAE、オーストラリア、中国、ブラジル、カナダ、サウジアラビア、インド、韓国、アメリカ、クウェート、ロシア、オーストリア、スイス、アルゼンチン、イタリア、イギリス、フランス、メキシコ、オランダ、ブルガリア、スペイン、日本、アイスランド、ルーマニア(順不同)の24か国に対して行われたもの。調査方法・有効回答数は各国によって異なる(面接方式・電話方式・インターネット方式など、500-2052人)。
金融危機発生以前(2007年夏以前)と比べ、この3か月の間に切り詰めた家計支出項目についてそれぞれの項目に対して答えてもらい、そのうち「切り詰めている」と回答した割合を集計したところ、日本・アメリカ共にもっとも多かったのは「衣料品/履物/アクセサリー購入費」だった。両国とも6割以上の人が「切り詰めた」と答えている。
金融危機発生以前に比べて、過去3か月間にあなたが切り詰めた家計支出項目(「切り詰めている」の回答割合)
第2位以降になると両国の節約志向に対する違いが色々と見えてくる。【ガソリン高で変わるアメリカの休暇スタイル】や【「自家用車からバス、鉄道へ」ガソリン高で変わるアメリカの移動スタイル】にもあるように、アメリカでは日本以上に「休日には家族で自動車を駆ってお出かけ」という休暇パターンが多い。この点で「休日や休暇の旅行費用」が大きく削られており(60%の人が切り詰めている)、日本の48%を大きく上回っている。また、「外食/映画・演劇鑑賞などの娯楽費」でも日本の値と比べて大きいことが確認できる。
また、「家具や家電製品の購入費」「住居や部屋の改装/修繕費」のような、住宅系費用にも大きな経費削減のメスが入っているのも注目すべき傾向。他の項目と比べて大物・高値の傾向が強いこれらの要素で「切り詰めている」と回答する人が多いということは、アメリカの消費スタイルがこれまでとは大きく変化しつつある可能性を示唆している。日本との差異が大きいのは……元々アメリカでは大盤振る舞いだったから、かもしれない。
最後に一点留意点を加えるとすれば、全般的に日本よりもアメリカの方が「切り詰めている」回答が多い傾向があること。節約に対する意識がアメリカの方が高いのか、それともそもそも論としてこれまでアメリカのライフスタイルが過度にムダが多かったのか、それはこのグラフからだけでは分からない。しかし、少なくともアメリカで節約精神が浸透していることは違いあるまい。
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