経済で心配・不安を抱く人、日本は世界で3番目の多さに
2009/11/22 09:51


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今調査は2009年9月から10月にかけて、UAE、オーストラリア、中国、ブラジル、カナダ、サウジアラビア、インド、韓国、アメリカ、クウェート、ロシア、オーストリア、スイス、アルゼンチン、イタリア、イギリス、フランス、メキシコ、オランダ、ブルガリア、スペイン、日本、アイスランド、ルーマニア(順不同)の24か国に対して行われたもの。調査方法・有効回答数は各国によって異なる(面接方式・電話方式・インターネット方式など、500-2052人)。
昨今の金融・経済危機がきっかけで、「ストレス」「心配/不安」「睡眠不足/不眠症」「うつ状態」という4つの心理的な問題を起因とする健康上の問題を、過去3か月間に経験したか否について尋ねたところ、各国の経済状況もさることながら、国民性が色濃くにじみ出る結果となった。

今回の金融・経済危機が影響となって、あなたは次にあげるような症状を過去3か月間に経験されましたか
……これでは少々込み入っていて状況が把握しにくいので、4項目のうち心理的な面が大きい前者2つ「ストレス」「心配/不安」について、それぞれ単独でグラフを再構築する。まずは「ストレス」。

今回の金融・経済危機が影響となって、あなたはストレスを過去3か月間に経験されましたか
もっともストレスを感じているのはメキシコで、73%、4人に3人ほどが経験したと答えている。次いでアメリカ、韓国、中国の順。アメリカの場合は以前【92%の女性が「経済でストレス」-金融危機で深まるアメリカのストレス社会化】や【株価の下落によるストレスや睡眠不足から解消される方法】、【アメリカの子供は親が想像している以上にお金関係のストレスを抱えている】などで解説したように、親子共に少なからぬストレスを抱えているようだが、今回の調査結果でも状況は楽観視できないといえよう。日本の場合は中央値よりは上だが、際立って高い、というほどでもない。それでも5人に2人以上はストレスを感じている。
一方「心配や不安」となると、順位・数字がやや変化を見せる。

今回の金融・経済危機が影響となって、あなたは心配や不安を過去3か月間に経験されましたか
全体としては「ストレス」よりもやや減少傾向を見せるものの、日本では逆に増加。過半数の人が不安や心配を抱き、結果としてブルガリア・アルゼンチンに次ぐ第3位の位置に座してしまっている。【マスコミ自らがあおる「風評」の被害を景気ウォッチャー調査から調べてみる】や【世界の消費者マインドは徐々に回復へ・景況感指数、日本は主要国中最低のまま】などでも触れているが、必要以上に不安感をあおり立てる報道が、人々の心配や不安を増長させる傾向がここにも見受けられる。
心理的なマイナス感は必要以上に消費者の消費性向を減退させ、めぐりめぐって国内の需要を押し下げる働きを示し、特に内需方面での景気回復を足止めする働きをしてしまう。その点では心配や不安の値が高い日本では、他国と比べて回復スピードが鈍化してしまう可能性は否定できない。
もっとも現在のように、逆に「現行の政策の問題点をほとんど報じず、あるいは他の問題でうやむやにしてしまう」傾向が強い状況も、それはそれで問題なのではあるが。
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