アメリカの子供は親が想像している以上にお金関係のストレスを抱えている
2009/11/15 08:33
以前【92%の女性が「経済でストレス」-金融危機で深まるアメリカのストレス社会化】や【不景気でストレスいっぱいの母親たちを救うアドバイス】、【アメリカ人が頭を悩ませている問題ベスト7】などで、アメリカにおいて経済事情の悪化が大人たちに過度のストレスを与えていることについて触れた。しかしアメリカには大人だけではなく、多くの子供達も生活している。彼ら・彼女は大人同様にストレスを抱えているのか否かについて、興味深い検証記事が【USA TODAY】に掲載されていた。それによると子供達も経済の悪化で大きなストレスを感じており、さらにその状況を親は十分に把握していない可能性が高いというものだ。
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元記事では2年前に解雇され、数か月の後に転職を果たすことが出来た元保険会社の役員が、自分の9歳と11歳の子供に対し「コスト意識の面で大きなストレスを子供達も背負っている」現状を認識していると伝えている。物理的に外食や映画の回数が減り、お金を節約しなければならないことを子供達に説明しなければならないからだ。
アメリカ心理学会(the American Psychological Association)で調査された結果(調査母体は1206人)によると、8-12歳の子供においてですら、3割近くが「自分の家族・家庭の経済状態についてのストレス」を抱えていると回答している。学校生活全般に対するストレスよりは少ないとはいえ、ルックスや友達付き合いよりもはるかに上回る結果だ。
アメリカの子供が抱えるストレス
13-17歳になるとさすがに進路に関する悩み・ストレスが増加するものの、経済状態へのストレスは減るどころが増し、3割を超える。高校生などにおいても以前進路の問題以上に経済状態へのストレスが多いあたり、事態の深刻さが見て取れる(もっとも進路問題も間接的に家族の経済状態と連動するから-大学への進学にはそれなりのお金がかかる-、増加するのはある意味当然かもしれない)。
このように子供達が経済状態で大きなストレスを抱えている一方、親・保護者達はそれについてあまり状況を的確に認知していない様子がうかがえる。
アメリカの親が抱えるストレス・子供のストレスに関する認知
こちらは大人を対象に行われた調査結果だが、自分たちが経済問題などでストレスを抱えていたとしても、それは子供に影響を与えないだろうと考えている親は6割を超えている。子供が抱える経済的な面でのストレスは、(自分がお金を稼ぐわけではないので)親を起因とするものであることは明らかであるにも関わらず、だ。しかし上のグラフにもあるように、親が考えている以上に子供達は(特に経済面において親のストレスを通じて)ストレスを感じていることが分かる。親の認識と子供の認識には多少なりとも「ずれ」が生じているわけだ。
元記事にもあるが、親が直接説明しなくとも行動の変化や言葉の端々、さらには新聞や雑誌、インターネットからの情報で、子供達も「親が思っている以上に」現状を認識し、考え、悩んでいる。子供だからと軽んじることなく、時には同じ目線で話し合うことも必要だろう。
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