新聞、雑誌、マンガ、本、ゲーム……どれを一番利用してる?
2009/11/17 05:27
BPO(放送倫理・番組向上機構)は2009年10月23日、報告書「“デジタルネイティブ”はテレビをどう見ているか?-番組視聴実態300人調査」を公式ウェブ上に掲載した。それによると同調査母体(若年層)においては、パソコンや携帯電話以外の主要情報行動として、与えられた選択肢の中では「新聞を読む」頻度が一番高いことが分かった。もっともその頻度も「マンガを読む」値と大きな差異は無く、新聞を「読まない」人の割合はマンガの3倍近くに達するなど、利用パターンには大きな違いがあることが見て取れる(該当資料は【こちら】に掲載)。
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今調査は2008年11月10日から11月16日までの間に、専門調査員による訪問留置調査方式で行われたもので、有効回答数は311。16歳から24歳の東京都内に住む男女を対象としており、年齢階層は非公開。職業別階層では高校生114・大学生92・社会人59・パートやアルバイト24など。資料タイトルにもあるように、若年層を対象とした結果であることに留意する必要がある。
情報取得を行う手段、例えば携帯電話やパソコンの利用、雑誌の購読などについて、月あたりの利用頻度(利用した日数)について尋ねた項目があるが、それによると携帯電話では「メールのやりとりをする」がもっとも多く平均25.1日、パソコンでは「動画やニュースサイト、SNS以外のサイトを見る」が最多の平均8.4日という値をしめしている。それではそれ以外、具体的には新聞、雑誌、マンガ、本、テレビゲームについてはどうだろうか、ということで尋ねた結果が次のグラフ。
携帯・パソコン以外の情報行動頻度
各媒体によって利用頻度の特徴の違い、例えば新聞は毎日届く・雑誌は(お好みの雑誌が週刊誌なら)週一で読む、などの違いがある。そのため、一概に併記して比較するのはやや難があるが、それでもグラフを見ると「ほぼ毎日」読まれるのがもっとも多いのは新聞、もっとも少ないは本であることが分かる。新聞を取っている人は通常日刊紙だから、これは当然ともいえる。そしてこれに週刊誌の発売ペースを考慮した「週に数回」をあわせると、マンガがもっとも多くなる。
一方で「利用せず」、つまりまったく読んでいない人の割合も新聞がもっとも多い。つまり日刊紙を想定すると、調査母体においては「日刊紙を購読している人は4人に1人、日刊紙も含めてまったく新聞を購読しない人は3割強」という形が見えてくる。新聞の読まれ方は両極端なわけだ。
これについて「ほぼ毎日=30日」「週に数回=10日」「月に数回=2.5日」「月に1回以下=1日」「利用していない=0」と割り振って、月あたりの平均利用日数を算出した結果が次の図。「ほぼ毎日」でかなり数字を稼いだ新聞がトップについている。
携帯・パソコン以外の情報行動頻度(月あたり・実働日数)
ただしマンガも(週刊誌などの)定期購読者が数字をかさ上げし、実質的に新聞とほぼ同じ値になっているのが興味深い。
せっかくなので、一般的な雑誌や本の発売・購入パターンを想定し、「ほぼ毎日」と「週に数回」を足した「積極媒体利用者」と、まったく利用しない「媒体非利用者」の割合を算出。さらにその値において、前者から後者を引きDI値を算出し、「媒体積極利用度」を導きだしたのが次のグラフ。
携帯・パソコン以外の積極利用度
少なくとも若年層にとっては、マンガや雑誌などの方がハードルが低く、積極的に読まれている状況がうかがいしれよう。
ちなみに同じ計算方法で「メールのやりとりをする」「動画やニュースサイト、SNS以外のサイトを見る」の値を算出したところ、前者は93.5%、後者は13.5%という値が出た。携帯電話は利用される度合いが非常に高く、その一方でパソコンは利用しない人が多いのに加えて利用スタイルもまちまちなため、個々の行動様式では値が低くなる傾向があるようだ。
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