1年間で36冊・7回近く……図書館を利用する小学生、借りる冊数も通う回数も増加中
2009/11/13 12:10
文部科学省は2009年11月12日、2007年度分の社会教育調査の中間報告結果を発表した。それによると、図書館を利用する小学生が2007年度に借りた本の冊数は平均で35.9冊となり、公開データ期間の間では最高冊数を示していたことが分かった。また、図書館の利用回数も増加する傾向を見せており、少なくとも「図書館を利用する小学生」は年々積極的に利用しているように見える(【発表リリースページ】)。
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今調査は全国の図書館に対し各地方自治体の教育委員会を通した、調査票送付・回収方式で行われたもの。2007年度においては3165か所の図書館が対象となっている。
今調査結果において、児童(小学生)における「登録者一人当たりの」年間利用回数・年間貸出冊数をグラフ化したのが次の図。
小学生に対する図書館の図書貸し出し業務の実施状況推移(登録者一人当たり)
今調査は公開データ範囲内では3年おきの実施となっているが、毎回登録者あたりの利用回数・貸出冊数共に増加する傾向を見せている。これは単純に図書館を利用する小学生の本を好む傾向が増加しているだけでなく、図書館が備える書籍の多様化が少なからぬ要因となっていると思われる。ただし「登録者数」そのものは少子化の傾向に比する形で減少を続けており、この10年の間に15%弱ほど数を減らしている。
小学生の図書館登録者数
要は、単に「小学生全体が図書館の本を好きになった」のではなく、「より本が好きな小学生が図書館に足しげく通うようになった」という一面もあると見た方がよいかもしれない。小学生全体に図書館・図書館の蔵書が一層好まれるようになったか否かを見るのには、図書館利用者ではなく全体を調査母体とする必要があるだろう。
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