「テレビって大切?」「将来どれくらい見られる?」若年層でも分かれる意見

2009/11/09 17:10

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テレビとパソコンイメージBPO(放送倫理・番組向上機構)は2009年10月23日、報告書「“デジタルネイティブ”はテレビをどう見ているか?-番組視聴実態300人調査」を公式ウェブ上に掲載した。それによると同調査母体(若年層)においては、「テレビが無いと困る」と考えている人は約半数に達していることが分かった。社会人や大学生より高校生の方がテレビの必要性を強く感じており、同時にテレビの将来性についても、もっと輝かしいものになる(もっと視聴されるようになる)と考えている傾向がある。他方、パソコンを一番大切と感じている人は逆に、テレビに対して非常に醒めた目で見ていることもデータから見て取れる(該当資料は【こちら】に掲載)。



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今調査は2008年11月10日から11月16日までの間に、専門調査員による訪問留置調査方式で行われたもので、有効回答数は311。16歳から24歳の東京都内に住む男女を対象としており、年齢階層は非公開。職業別階層では高校生114・大学生92・社会人59・パートやアルバイト24など。資料タイトルにもあるように、若年層を対象とした結果であることに留意する必要がある。

テレビの必要性について「ないと困る」「なくても困らないがあったほうがよい」「あっても構わないがないほうがよい」「まったくいらない」の4つの選択肢を用意し、そのうち1つを選んでもらった上で「ないと困る」とそれ以外に区分して統計を取ったところ、全体では「ないと困る」がほぼ半数を占める結果になった。

テレビの必要性について
テレビの必要性について

なぜ「ないと困る」とそれ以外で区分したのかについて説明は無いが、元データを見ると全体では「ないと困る」が49.5%・「なくても困らないがあったほうがよい」が49.2%・「あっても構わないがないほうがよい」が1.0%・「まったくいらない」が0.3%で、事実上「ないと困る」と「なくても困らないがあったほうがよい」に大別されてしまったからだと思われる。

ともあれ【高校生や若年女性陣、テレビは熱心に観る傾向に】でも触れているように、テレビ視聴に熱心な高校生の方が「ないと困る」度は高い。当然といえば当然だ。

それではテレビの将来についてはどのようなイメージを持っているのだろうか。他メディアに駆逐され今ほどは見られなくなるのだろうか、それとも進化発展を遂げてもっと見られるようになるのだろうか。2020年(調査時点から12年後)についてイメージしてもらったところ、全体では「見られるようになる」がやや優勢だが、「もっと見られる」「変わらない」「見られなくなる」がほぼ均衡する結果となった。

テレビの将来について(2020年にはどうなっているか)
テレビの将来について(2020年にはどうなっているか)

テレビの将来性に関しては、現在のテレビへの熱中度と深い関係があるようだ。熱心に観ている女性・高校生の方が、男性・大学生や社会人よりも「未来は今よりもっと見られるようになる」という意見が多い。特に高校生は過半数がその意見で占められている。少なくとも高校生にとっては、テレビの将来はばら色に見えるのだろう。

他方大学生・社会人になると、やや醒めた感が強い。特に社会人は「変わらない」が半数近くを占めている。「変わらない」というより実際のところ「どっちでも良い」という意見の感すらある。

ネット情報はテレビを避けさせる効果が?
「テレビは要らない」イメージ上記2つのグラフであえて言及を避けてきたのが「パソコンが一番大切」の項目。これは同調査中「テレビ・携帯電話・パソコン・ゲーム機について大切な順に割り振るように」という設問があり、そこにおいて「パソコンが一番大切」と答えた人に限っての調査結果。現在においては「パソコン=インターネット端末」と考えても良い状況にあることから、インターネットをとても大切にしている人、熱中度の高い人と見てよいだろう。

そのような区分に限ると、「テレビが無いと困る……18%」「2020年にはテレビは今ほどは見られなくなる……50.0%(今よりもっと見られるようになる……16.0%)」となり、他の属性と比べてテレビに対する肯定感が非常に低いことが分かる。テレビ側から見れば、「パソコン(インターネット)はテレビにとって邪魔な存在だ」と考えるのも無理は無いかもしれない。



テレビの必要性・将来性については、若年層においては現在のテレビに対する熱心度と浅からぬ関係があるように見える。つまり「テレビが面白い、熱心に観てるよ」という人は「ないと困る」「将来もっと見られるようになる」と思い、そうでない人は「無くても別にいいや」「将来も変わらない、見られなくなるのでは」と考えているようだ。

自分が興味関心のあるものに対し必要性を感じたり、明るい未来をイメージするのは何もテレビに限らず、このような結果は当然のものといえる。ただ全体として、(若年層においてだが)ほぼ半数の人が「テレビなど無くても困らない(あった方がマシ、という程度)」と考えている事実は、深く受け止めるべきだろう。



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