高校生や若年女性陣、テレビは熱心に観る傾向に

2009/11/06 12:10

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テレビ視聴イメージBPO(放送倫理・番組向上機構)は2009年10月23日、報告書「“デジタルネイティブ”はテレビをどう見ているか?-番組視聴実態300人調査」を公式ウェブ上に掲載した。それによると、同調査母体(若年層)においてはテレビ番組の視聴態度は男性よりも女性の方が、そして社会人や大学生よりも高校生の方が「集中かつ専念して観ている傾向がある」ことが分かった。同報告書では男性よりも女性の方がテレビ視聴時間が長いことも明らかにされており、若年層の女性はテレビを「真剣に、しかも長時間観ている」傾向が強そうだ(該当資料は【こちら】に掲載)。



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今調査は2008年11月10日から11月16日までの間に、専門調査員による訪問留置調査方式で行われたもので、有効回答数は311。16歳から24歳の東京都内に住む男女を対象としており、年齢階層は非公開。職業別階層では高校生114・大学生92・社会人59・パートやアルバイト24など。資料タイトルにもあるように、若年層を対象とした結果であることに留意しなければならない。

テレビが昔の視聴スタイルのように「皆が正座してじっくりと釘づけになって観る」ものではなく、さまざまな並行行動と共に視聴されていることは、すでに他の調査機関の調査結果【「テレビをつけている時間」と「視聴時間」、「視聴率」を考え直してみる】などで触れた通り。それではどのような見方をしながらテレビを視聴したのか、調査母体に対し各種番組毎に視聴態度を尋ね、それをまとめて属性別に区分しなおしたのが次の図。いわゆる「釘づけ状態」は2-3割程度に留まっているのが分かる。

番組視聴の態度
番組視聴の態度

「つけていただけ」、つまりまったく観ていないのは数%に過ぎないが、多かれ少なかれ集中度に欠けた視聴をしていた割合は8割前後に達していたことが見て取れる。

特に全体では「他の事をしながらぼんやりと」が多く、高校生以外では3割以上を占め、最多回答層となっている。一方で高校生は「他の事はせずに集中して」がもっとも多く、これが3割強に達している。また、男女別では女性の方が「他の事はせずに集中して」の割合が多く、集中視聴度は女性の方が上であることが分かる。

報告書では視聴態度の6分類を「集中」「専念」という観点から整理している。今回はこの分類をその視聴熱心度からポイントを割り振り、各属性別のテレビ視聴熱心度を算出した。

視聴態度の分類とポイントの割り振り
視聴態度の分類とポイントの割り振り

「他の事はしないがぼんやりと」が、「他の事はせずに集中して」の2/3もポイントが割り振られるのは多少不公平な気もするが、基本的に「集中」「専念」で大別した上で該当するかいないかで考え、単純化した結果だと見て欲しい。また、「つけていただけ」はほとんど観ていないので、これはゼロにした。

各属性毎に視聴態度の割合とポイントをかけ、全体値を算出。それを元に、調査母体全体の値を1.000とした場合の各属性の相対的な値を出した結果が次の図。数が大きいほど、テレビ番組を熱心に観ているということだ。

番組視聴熱心度(全体値を1とした時)
番組視聴熱心度(全体値を1とした時)

このグラフで見ると、男性よりも女性の方がテレビを熱心に観ていることになる。先に【女性はテレビが大好き!? 若年層のテレビ視聴時間】でテレビの視聴時間は女性の方が長い事を記したが、女性は長く観るだけでなく熱心に観ていることになる。またこの傾向は【テレビを「つけている時間」と「観ている時間」の違い】にもあるように、小中学生にも共通しているもののようだ。

さらに学校階層別に見ると、高校生は非常に熱心にテレビを観るものの、大学生になるとテレビへの熱が醒めたのか、あるいは他の趣味に注力するようになったのか、熱心度は下がる。そしてその低下は社会人になっても継続する。「テレビを「つけている時間」と「観ている時間」の違い」では中学生より高校生の方が集中視聴割合が高い事を考えると、テレビ視聴の熱心度は「若年層において」は

小学生>中学生>高校生>大学生=社会人
女性>男性

といった図式が成り立つことが考えられる。ちなみに中堅層以降は資料にデータがないが、【新聞記事や特集7割・テレビ番組8割……シニア層の情報源、テレビや新聞が圧倒的】において経年と共にテレビ番組の情報源としての利用度が高まっているところをみると、再び熱心度が高まるものと思われる。

報告書では番組のジャンルや好き嫌いも、熱心度に大きな影響を与えることなども触れられている。しかし全体的にテレビ視聴については、このような傾向が見られると考えてよい。



なお【テレビCMがどのくらいの熱心さで観られているか】でも触れているように、「むしろ視聴率と内容の充実度がそこそこのバランスをもったテレビ番組の方が、視聴者からはCMにもそれなりの注力を割いてもらえるので、CMの効果は高くなる」傾向がある。とはいえ、番組中にぼんやりとテレビ画面を眺めていて、コマーシャル時に『「シャキーン!」との効果音が出んばかりに注力して画面を見つめる』状況は考えにくい。だからこそ、ハッと気付かせるために、テレビCM時には番組中と比べて音量が上がる傾向があるのだろう。



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