ビル全体で筋トレをする男たち
2009/11/05 04:40
建設中の高層ビルに連なるいくつものクレーンは、その雄々しさから子供はもちろん大人も思わず見入ってしまうもの。「巨大な人工物がさらに巨大な建造物を創造している過程」には、何か不思議な、そして力強い魅力があるのだろう。その「力強い」パワーを借りるがごとく、建設中のビルや作業中のクレーンを巧みに使い、ビル全体で筋トレをする男たちが紹介されていた。実物で見れないのが残念な出来栄えだ(Coloribus.com)。
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ケーブルフライをする男性。ビルの両脇のクレーンの固定用ケーブルをうまくポスターと連動させている。
上腕三頭筋のストレッチ(Tricep pulldown)。クレーンが資材を持ち運ぶと、ポスターの男性がストレッチで持ち上げているかのような感じに。
広背筋のトレーニングを行うラットプルダウン(Lateral pulldown)。クレーンの開き具合がトレーニングマシンの動きとほぼ連動する。
これらの広告はアメリカのトレーニングジムの一つ【POWER HOUSE GYM】の宣伝のために作られた広告。建設中の高層ビルに生えるがのごとく設置された数々のクレーンをうまく使い、高層ビル全体をトレーニングマシンに仕立て上げ、ボディービルダーたちが筋トレをしているようすが描写されている(もちろん宣伝のためにビルの建設そのものから興したわけではない)。
クレーンやビルダーたちの姿よく見ると、ただビルダーの写真が貼られているだけではなく、それぞれのクレーンの形や動きに連動する形で、トレーニングマシーンでの筋トレが映し出されているのが分かる。特に一枚目の写真(ケーブルフライを使っている)は良く分かるはずだ。
参考動画:本物のトレーナーがケーブルフライを使っているようす。まさに両手で引っ張ったり離すようすが、ビルのクレーンとマッチしているのが分かるだろう。
冒頭で建設中の高層ビルの雄々しさについて触れたが、それとクレーンのケーブルが複数宙に舞っているところを見て、トレーニングジムの各種トレーニングマシンを想像する人は何人かいるかもしれない。しかしその発想を実体化し、広告に結びつけるのはよほどの発想力と実行力が無いと難しい。
しかもある程度は誰もが連想しうる状況を実体化することで、作り手と多くの視聴者との間に連想を共有させ、いわゆる「あるある」感をいだかせ、強い印象を見る側へ与えることに成功している。面白く、後々まで印象を残させる広告・アピールを生みだすには、色々な現象へのアンテナはもちろんだが、それらをうまく結びつける「連想ゲーム」のスキルが求められるという実例だろう。
……まぁ、ボディービルダーなだけに、建設中の「ビル」を造っている機材(ビルダー)を使った広告、というのは日本語でしか分からないシャレだから、さすがにそれはないだろうけれども(笑)。
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