子供手当、「貯蓄して子供自身に使ってもらう」が二人に一人・教育費充当は4割足らず
2009/11/01 08:26


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今調査は2009年10月9日から15日にかけて、携帯電話によるインターネット経由で20-45歳の既婚女性に対して行われたもので(ネットエイジア実施)、有効回答数は1000人。年齢階層比は非公開、子供の数は「いない」が220人・「1人」が250人・「2人以上」が250人(子供は末子が6歳未満が前提)。
2010年度から実施予定の「子供手当」について、その使い道を調査母体のうち「理想の子供人数が1人以上」と答えた人に複数回答で尋ねたところ(現在子供がゼロの人の場合、子供が出来たら、という想定で答えてもらっている)、もっとも多いのは「子供名義で貯蓄・将来自分で使い道を決めてもらう」で半数に達していた。冒頭でも触れたが、本来の目的である「現在の育児・養育費のサポート」(に消費してもらい、内需活性化にも役立てる)とは逆行し、むしろお金の流れを滞留させてしまうリスクが提起されたことになる。

子供手当が支給された時の使い道(複数回答、理想の子供人数が1人以上と回答した人のみ)
似たような調査は以前別機関でも行われていたが(【子供手当、教育費・子供の将来のための貯金が6割強ずつ。しかし実際は……】)、やはりそれと類似の傾向(全体として使わずに貯蓄される部分が多い、子供人数が多く家計が苦しい世帯ほど食費・光熱費などの家計に回されてしまう)が確認できる。
「塾や入学金などの教育費に充当」という回答は子供の数が多いほど回答率も高い。これは、それらの負担が大きいので「貯蓄に回す余裕など無い」という心境の裏返しといえる。例えば塾の負担額は【学校以外の教育費、中学3年生は月平均3万円!?】などにもあるように、毎月数万のレベルに達している。子供の人数が多ければ多少はマイナスされるだろうが、それでも大きな負担であることに違いは無い。貯蓄よりもまずは目の前の穴埋め、という考えは正しい選択肢といえる。
今設問は複数回答なのであまり意味が無い値なのだが、仮に全回答率を足してその合計値に占める各項目の比率を算出すると、「子供名義で貯蓄」が37%・「塾や入学金などの教育費」が29%・「家計」が24%という結果になる。意図・思惑通りに使われる割合が高くない面を見ると、以前の記事でも触れたが「学校給食費への支援・地域振興券や限定図書券・クーポン券の配布など、他目的への流用がしにくいもので”支援”をすべきではないか」「生活費の補てんで間接的に教育費を支援するのなら、お米など食料品の現物支給の方が現実的・効率的ではないか」という意見に正当性を覚えるのは、当方だけではあるまい。
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