2009年度第一次補正予算の「ムダ」判定された項目を表組化してみる……(2)返還金額50億円超の事業

2009/10/24 18:03

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多額のお金イメージ先の記事では、とりあえず「ムダ使い」判定された事業の一覧を掲載した。続いて今記事では「執行停止・返納見込額」50億円以上のものをリスト化し直してみることにした。繰り返しになるが、「おおもとの予算額」「消化・執行済みの額」「事業進行割合」がいずれも非公開のため、あくまでも「削られる予定の額」でしかないことに注意。



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「ムダ使い」判定された事業のうち、「執行停止・返納見込額」が50億円以上のもの
「ムダ使い」判定された事業のうち、「執行停止・返納見込額」が50億円以上のもの

元々今回の補正予算は経済上の危機という「経済有事」において緊急案として出された色合いが濃く、いずれも多かれ少なかれ・直接間接的に緊急性を持つもの。だがその一方で、事業名に「緊急」とつければ何でも良いものでもない。そこでリスト化した結果のうち、当方(不破)が特に気になった項目につき、赤字で強調してみた。

まずは「メディア芸術の振興(国立メディア芸術総合センターの設立)」。下衆なメディアと政党が「アニメの殿堂」とやり玉に上げ、事業中止が決まってからは「補正予算のムダ」の象徴的なものとして有名になったものだ(中には補正予算をムダ扱いするにあたり、これだけを批判して「代わりに災害ヘリを買うべきだ」と声高らかに主張し、補正予算「全体」を否定したエセ経済評論家もいた)。しかしこれと前後して隣国では同様の施設の建造が決まり、先日明治大学でも【東京国際マンガ図書館】の設立が決定している。「箱モノが云々」「マンガ如きで云々」という、差別偏見的な香りが特に強く感じられた、あるいはそれを悪用された感の強い、(否定されることで)イヤな想いを強く持った事業名である。

トップの「緊急人材育成・就職支援資金」。雇用対策は現状において緊急性を有する問題であることは、誰の目にも明らか。これをいきなり「ムダ判定」するあたり、内容の精査をしたかを判断できない以上、「何かまだたくさん残っているから、とりあえず切っちまえ」的な感は否めない。

また、「住宅ローンの信用収縮対策等」「危機対策業務を円滑に行うための日本政策投資銀行の財務基盤強化」「住宅・不動産事業者への資金支援」「下請資金繰り支援事業の創設」なども「ムダ使い」判定されたのには首を傾げる。代替案を模索しているのかもしれないが、それ(第二次補正予算)の審議が始まるのは早くても来年。それまでは「息を止めていてね」という判断なのだろう。

さらに「地域子育て支援対策(子育て応援特別手当)」や「未承認薬・新型インフルエンザ等対策基金」など、現在進行形で対策強化が求められるものや、現政権が旗印に掲げているものとは逆行するような、事業の停止要請が行われているのも気になる。あるいは「効率的では無いから」「自分らの思う通りでは無いから」なのかもしれないが。

■一連の記事:
【2009年度第一次補正予算の「ムダ」判定された項目を表組化してみる……(1)一覧】
【2009年度第一次補正予算の「ムダ」判定された項目を表組化してみる……(2)返還金額50億円超の事業】
【2009年度第一次補正予算の「ムダ」判定された項目を表組化してみる……(3)耐震・太陽光発電・子育て】



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