2009年度第一次補正予算の「ムダ」判定された項目を表組化してみる……(1)一覧
2009/10/24 18:02
財務省は2009年10月16日、先に【総額13兆9260億円・2009年度補正予算】でも解説した前麻生政権下における2009年度第一次補正予算につき、事業一覧・金額を掲げて、それらの項目について交付辞退・自主返納の要請などを行うこととする閣議決定を発表した。今件文面に記載は無いが各種報道などによれば、これらの事業は「ムダ使いである」との判断によるものだそうだ。発表資料ははなはだだ不完全で不明な点も多いが、公開された資料を元に各種表組化を図ることにした(【元資料リリース】)。
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「はなはだ不完全で不明な点も多い」としたのは、発表された「見直す事業」は「関連官公庁名」「事業名」「執行停止・返納見込額」のみでしかないこと。各事業の進捗状況あるいは予算消費状況、元々の設定予算が記載されていないため、資料を見ても「どのような判断基準で”ムダ判定”をしたのか」の理由が把握できない。無論そもそも論として「その事業がなぜ見直しをすべきなのか」についての説明が一切ないため「説明をする必要も無い」というのが主旨なのかもしれない。
また、各種事業名についても、先の第一次補正予算で公開された事業名と一致するものが少なく、整合性が取れないこともあり、独自に「設定予算」を盛り込むことも断念した。
それでは具体的に、一覧を掲載しよう。
第一次補正予算のうち、「ムダ使い」判定された事業一覧(省庁別・交付辞退または自主返納などの見込額(億円))
この「ムダ判定事業」の選定については、一部議員の「つぶやき」などを聞く限りにおいて、数日間のドタバタ作業で生成されたものと受け止められる。つまり「9月に入り夏休みも明けてから、夏休みの宿題を徹夜ででっち上げた」ものと同レベルなわけだ。そのような作業で、いわば有事に等しい状況において「血流」たる予算停止を求められた(※)のではたまらない、そう感じる関係者も少なくあるまい。努力をすれば結果は伴わなくても良いのは、義務教育までだ。
ましてや「宿題はやってあります」と大手を振って宣言しておきながら、その宿題をしていなかったのと同じであるとすれば、その行為に対する評価はコメントするまでも無い。
■一連の記事:
【2009年度第一次補正予算の「ムダ」判定された項目を表組化してみる……(1)一覧】
【2009年度第一次補正予算の「ムダ」判定された項目を表組化してみる……(2)返還金額50億円超の事業】
【2009年度第一次補正予算の「ムダ」判定された項目を表組化してみる……(3)耐震・太陽光発電・子育て】
※補正予算であっても予算の法的拘束力を持った停止命令には国会審議が必要になる。現在国会は開かれていないことから、閣議決定だけで予算を止めたのでは憲法に抵触してしまうため、「交付辞退・自主返納の要請など」という手段をとっている。もっとも拒否をしようものなら、どのような「制裁」を受けるかたまったものでは無いから、事実上の強制と同じである
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