更新料、常識かなと思ったら、実は無いのが常識だったの?
2009/10/19 07:01
住宅・不動産情報ポータルサイトのHOME'Sは2009年10月8日、同年8月27日の大阪高等裁判所の判決(ある訴訟案件について更新料の一部期間分を消費者契約法第10条に違反するとして無効とした)に関する不動産会社のアンケート結果を発表した。それによると調査母体の不動産会社においては、更新料や更新事務手数料は関東地区・特に首都圏、そして京都で多く設定されており、他地域では少数派であることが分かった。例えば北海道地区では9割近い不動産会社が「更新料も更新事務手数料も取っていない」と回答している(【発表リリース、PDF】)。
スポンサードリンク
今調査は2009年9月8日から15日にかけて、HOME'S内において(インターネット経由で)同サイト会員の「不動産会社に対して」行われたもので、有効回答数は1796件。地域別・規模別区分などは非公開。
先の高裁判決で改めて賃貸物件の「更新料」にスポットライトが当てられた形となったが、東京在住の当方(不破)自身、違和感を覚える話をいくつか耳にしていた。いわく、「更新料なんて無いよ」「更新料がある方が少数派だ」というものだった。「当方が」気軽に手に取れる賃貸住宅関連の情報誌を見ても、更新料の記述はしっかりとなされていることもあり、「なんでだろう」と首を傾げたもの。
しかし今回の調査結果を見る限りでは、むしろ東京の常識が全国区では常識では無く、「賃貸住宅においては更新料・更新事務手数料を取る業者は少数派」ことが明らかになった。
賃貸借契約更新時の更新料設定の有無(元資料から一部抜粋)
上記グラフは元資料から一部抜粋した上で再構築したものだが、「関東地区、中でも首都圏」と「京都」のみが更新料・更新事務手続き料の徴収ありで突出しており、他地域では少数派であることが確認できる(省略した地域もほぼ「他地域」と同じ状態)。
なぜ関東・首都圏と京都にのみ更新料・手数料の考えが深く浸透しているのか、その理由については元資料には記載されていない。ただ、後ほど機会を改めて紹介することになるが、別設問「更新料に対する考え方」において「昔からの商慣習だから」とする回答が過半数に達していることを考えると、「昔はこれらの地域で何らかの理由で更新料の設定が行われ、それが理由について伝承されることなく、仕組みだけが習慣として残った」と考えるのが妥当なようだ。
スポンサードリンク