【更新】テレビを「つけている時間」と「観ている時間」の違い
2009/10/17 09:55


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今調査は2006年10月から2007年2月にかけて首都圏在住の小学生高学年12名・中学生24名の計36名に対し、インタビュー及び日記式調査、記述式調査などを並行して6回に分けて実施されている。調査母体が少なく、また時期も古めのためあくまでも参考値以上の価値は無いが、逆に参考値として、さらにBPOが発した資料としての価値は見出せる。
気になるデータはいくつかあるが、今回取り上げるのは「テレビの視聴が『テレビのみに集中している』ものなのか、それとも他の行動(例えばケータイの利用)をしながらなどの『ながら視聴』で、テレビ内容への注力があまり・ほとんどされていないのか」の割合について。先に【テレビは「見てるだけ」ではなく「つけているだけ」!?】や【「テレビをつけている時間」と「視聴時間」、「視聴率」を考え直してみる】で指摘した、「視聴率は『視聴されている』率ではなく『テレビがついている』率の部分も多分にあるのではないのか」という話とつながる、重要なデータである。

個人の視聴番組全体数に占める各視聴状態の割合(平均)
・集中視聴……他のことをしないで集中して観る
・ぼんやり視聴……他のことはしないがぼんやり観た
・ながら視聴……他のことをしながら観た
・チラチラ視聴……とくに観ようとしたわけではないが何となくチラチラ観た
・録画視聴……録画して後で観た
・軽視聴児童……1日1時間未満しかテレビを見ない層
・重視聴児童……1日4時間以上テレビを見る層
視聴スタイルに「ラジオ的視聴……観る意識は無く、つけていること自体・音を聴くのが目的でほとんど観ていない」が無いのが残念だが、どれだけ集中して、言い換えれば「テレビの内容を観られているのか」が分かる結果となっている。
このデータを見た上での傾向を箇条書きにすると次のようになる。
・女性、低学年の方が集中視聴の割合が高い。
・テレビを見る時間が長い子供の方が、集中視聴の割合が高い。
・5-7割は「テレビ視聴の密度」が低い。
先の記事にもあるように、「テレビをつけている時間」と「テレビを視聴している(内容をしっかりと把握している)時間」には少なからぬ差異がみられることが改めて理解できよう。

これもまた(右の図で理解できるように)以前の記事でも触れたのだが、テレビの視聴スタイルが昔と大きく違っている以上、昔の視聴スタイル(皆がテレビに集中して番組などを視聴する)を前提とした視聴率の考え方や、それに関連する事項の数字付けは、そろそろ意味を成さなくなっているのではないだろうか。
今件はあくまでも少数の調査母体・2年前・子供を対象としたデータであり、多数調査母体・(趣味趣向の多様化、インターネットやケータイの普及、テレビ番組の質の変化)・子供だけでなくテレビ視聴を行う全体で調査を行えば、もっと違った結果が出てくるはず。ただしその結果は一部年齢層を除けば、もっと「テレビの視聴(つけている)時間」と「集中して観ている時間」「番組などの視聴されている割合」の差も大きなものになっているに違いない。
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