【更新】新聞記事や特集7割・テレビ番組8割……シニア層の情報源、テレビや新聞が圧倒的

2009/10/11 09:44

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シニア層とテレビイメージクロスマーケティングは2009年4月13日、シニア層(高齢層)の資産調査の結果を発表した。それによると調査母体においては、普段利用する情報源としては「テレビ」「新聞」が圧倒的であることが分かった。雑誌は本そのものよりもカタログやチラシを重要視し、直接の口コミはあまり使わないという傾向も出ている([発表リリース、PDF])。



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今調査は2009年3月18日から19日の間にインターネット経由で50-64歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1200人。男女比は1対1で、年齢階層比は50-54歳・55-59歳・60-64歳で均等割り当て。インターネット経由の調査のため、多少なりともデジタルメディアに精通した層を対象とした調査結果であり、インターネット系の選択肢において世間全体と比べるとやや有利な値が出る可能性がある。

調査母体となるシニア層に、普段利用している情報源について複数回答で尋ねたところ、選択肢の中ではもっとも多かったのは「テレビ番組」で80.1%、次いで「新聞記事や特集」が68.0%だった。インターネット経由の調査にも関わらず、インターネット系の選択肢ではもっとも多いものでも「インターネット(企業ウェブサイト)」が61.4%に留まっている。

あなたが普段利用されている情報源(複数回答)
あなたが普段利用されている情報源(複数回答)

インターネット経由の調査ですらこのような結果なのだから、もし同じ調査を対面式や書類郵送・返送式で行えば、もっとテレビや新聞に対する傾注度は高いものとなっているだろう(【「新聞って信頼できるよね」「正確だよね」はそれぞれ6割、ただし若者と高齢者の間には大きなギャップも】なども参照のこと)。また、興味深いことに、ラジオや雑誌はほとんど情報源として使われていないことや、雑誌は本誌そのものよりカタログやチラシの方が活用されていること、屋外広告はあまり利用されていないこと、そして「子供や家族の言うことを情報源として用いていない人が多い」ことが分かる。

特に「口コミ」の部分の傾向は注目すべきで、親族よりも同年齢であろう友人・知人の言を情報源として用いるあたり、シニア層独自の思考傾向に大きく反映している・されているものと思われる(子供や他の家族の言うことに耳を傾けないシニア層が多いという現状の表れだろう)。

女性の方がチラシに敏感、男性シニア層は「家族の声」に耳を傾けない?!
元データでは年齢階層・性別のデータも盛り込まれている。せっかくなのでそれぞれの値を算出して色々と見ていくことにしよう。まずは男女別のデータを生成し、グラフ化してみたのが次の図。

あなたが普段利用されている情報源(複数回答、男女別)
あなたが普段利用されている情報源(複数回答、男女別)

・女性の方がテレビ、屋外広告、そしてチラシやフリーペーパーなどの「無料」情報媒体を多く活用している。
・女性は口コミも多用。
・男性は子供の話を1割、その他の家族の話を2割しか情報源として認知していない。

特に女性がテレビ、そして無料媒体へアンテナを張っている割合が多いのは注目に値すべき内容といえる。生活を預かる立場の人が多い女性陣としては、生活防衛のためにもチラシなどが必要不可欠、という具合だ。そして昼時の情報エンタメ番組も欠かせない、ということか。

一方で男性シニア層が女性と比べて家族の話に対し頑なな態度を取る、という傾向もこのデータからは見てとれる。

歳を経るほどネットや雑誌離れ、テレビやラジオへの傾倒強まる
続いて年齢階層別に区分したグラフ。わずか5年区分・50-64歳の間でしかないが、それでもそれなりにはっきりとした傾向がいくつか確認できる。

あなたが普段利用されている情報源(複数回答、年齢階層別)
あなたが普段利用されている情報源(複数回答、年齢階層別)

経年と共に

・減る……インターネット系、雑誌・書籍系、野外広告系、子供やその他の家族の言
・増える……テレビ、新聞

シニア層 子供や家族に耳貸さず
テレビや新聞 大事な情報
という傾向が見えてくる。同じ紙媒体でも雑誌や書籍などの割合が減るのに、新聞系が増えるのはいささか首を傾げたくなる気もするが、いわゆる「メディア権威」という点で新聞の方が格が上であるという認識があるのだろう。

今調査では65歳以上への問いが無いので、65歳以上の高齢者がどのような情報源の取捨選択をしているかまでは分からない。しかし少なくともシニア層(いわゆる団塊世代かその直前世代)においては、歳を経るほど「テレビラブ☆」「新聞ラブ★」「子供にも家族にも耳を貸さない」という傾向がありそうだ。


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