【更新】退職金、使い道は「貯蓄」や「生活費の足し」……余裕がある人ほど運用や娯楽に

2009/10/11 09:40

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高齢者とお金イメージクロスマーケティングは2009年4月13日、シニア層(高齢層)の資産調査の結果を発表した。それによると調査母体においては、退職金の使い道として挙げられたもっとも多い回答は「貯蓄」だった。次いで「生活費の足し」「金融関連の資産運用」の順だが、資産総額が多い人ほど「金融関連の資産運用」「旅行」「趣味」などに利用する割合が多いことも確認できた([発表リリース、PDF])。



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今調査は2009年3月18日から19日の間にインターネット経由で50-64歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1200人。男女比は1対1で、年齢階層比は50-54歳・55-59歳・60-64歳で均等割り当て。インターネット経由の調査であるため、多少なりともデジタルメディアに精通した層を対象とした調査結果であることを前提としてデータを読む必要がある。

退職金をもらう予定の人は利用予定、すでにもらった人はその使い道について、複数回答で尋ねたところ、もっとも多い回答は「貯蓄」で約半数の人が答えていた。まずは貯め込んで、じっくりと使い道を考えるというところだろうか。

お宅では、退職金はどの様な事に利用される予定ですか(複数回答)
お宅では、退職金はどの様な事に利用される予定ですか(複数回答)

次いで多いのは「生活費の足し」、そしてようやく「金融関連の資産運用」。厳密にはタンス預金以外の金融機関への預貯金も「金融関連の資産運用」に該当するのだが、ここでは「貯蓄=預貯金」「金融関連の資産運用=有価証券などの売買」という解釈と見てよい。

気になるのは「旅行」「趣味」など、娯楽系の消費に回される回答が少ないこと。「金融資産を持つ高齢者には消費をして経済を回してもらわないと」という意見が多数見受けられるが、これではあまり期待できそうにない。

さてこの表を、現在の資産総額で区分すると意外な、そしてある意味当然ともいえる結果が見えてくる(【シニア層の資産調査結果】も参照のこと)。

お宅では、退職金はどの様な事に利用される予定ですか(複数回答)(資産総額区分)
お宅では、退職金はどの様な事に利用される予定ですか(複数回答)(資産総額区分)

・金融資産が小さい世帯では「生活費の足し」「ローンの返済」「貯蓄」の順、金融資産が大きい世帯になると「貯蓄」「金融関連の資産運用」「生活費の足し」「旅行」「趣味」
・金融資産が小さい世帯では生活維持のために退職金が使われるが、大きくなるにつれて「運用」や「趣味・娯楽」に回される割合が増えてくる。

以前【エンゲル係数の推移】で「エンゲル係数」について解説したが、その考えと同様に「まずは生活維持に使われ、余った分は娯楽や趣味、今後の蓄えに回される」「よって金額そのものが大きいほど生活維持に回される”割合”が大きくなる」ということなのだろう。あるいは資産総額が大きい世帯は、退職金というまとまったお金を生活費やローンの返済などに回さずとも、十分これまでの蓄財や今後の収入で賄えるのかもしれない。

ともあれ、退職金を受け取るような世帯すべてが旅行や趣味で悠々自適な生活を送っているわけではない、という認識はしておくべきだろう。



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