農業についてみたいと思う人、一般2割・農家でも半数
2009/10/07 06:44
ネットマイルは2009年10月6日、農業に関する調査結果を発表した。それによると、(学生に戻れたら)農家に就いてみたいと考えている人は全体で2割強でしかないことが明らかになった。さらに現在農業関係者として従事している人でも割合は半数程度でしかなく、農業の現状の一端を把握できるデータといえる([発表リリース、PDF])。
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今調査は2009年9月25日から26日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は407人。男女比は54.1対45.9で、年齢階層比は20代43.7%・30代18.4%・40代15.0%・50歳以上22.9%。
農村の高齢化・後継者問題などが注目されて久しい。日本の農産物に対するニーズは高いが、生産性(コスト・収入面)などの点も合わせ、解決しなければならない問題は多い。そこで「もし学生に戻れたら農業に就きたいか」と、農業への就業意識・意欲について尋ねたところ、全体では2割程度しか就業に積極的な人はいなかった。
もし学生に戻って好きな職業を選べるとしたら、農業についてみたいと思いますか(学生は現在の意向)
7割近くは「農業への就業は遠慮したい」と回答している。一般の人より学生の方が就業希望割合は低く、現在農家の人でも5割程度しかいない。逆に考えれば現在農家の人は、半数近くが「農家以外の仕事に就きたい」と考えていることになる。就業モチベーションの高低は個人の自由ではあるが、この「5割」という値が現在の農業の問題点の一面を表しているような気がしてならない。
リリースでは具体的な理由の一部にも触れられている。
「重労働」「儲からない」「虫や天気に左右される」「収入が不安定」
……体力的、経済的な負荷の大きさ
・肯定的意見:
「達成感」「やりがい」
……心理的充足感
つまり理想は満たされるかもしれないが、現実的な負担が大きく、心が折れてしまう可能性を示唆している。
今調査別項目では「農業そのものへの関心度」に関する調査も行われているが(日を改めて記事化予定)、そちらでは多くの人が関心を示していることが分かる。「気持ち」に応えた「実益」が導けるよう、農業への直接関係者が考えを巡らせるのはもちろん、周囲(例えば行政機関)も手を差し伸べる必要があるに違いない。
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