半数が「家庭での食事が増えた」……不景気で進む家庭融和!?

2009/10/02 04:45

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家族で食事イメージネットマイルは2009年9月29日、食に関するアンケートの結果を発表した。それによると、昨今の経済不況により食生活周りで変化した事柄について、選択肢の中でもっとも多くの人が同意を示した項目は「家族での食事が増えた」で過半数を占めていることが分かった。「外食の回数が減った」もほぼ半数近くを占めており、皮肉にも不景気は、食生活面からの家庭の融和を促進させる環境を創り出しているようにも見える([発表リリース、PDF])。



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今調査は2009年9月9日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は600人。男女比は1対1で、年齢階層比は10代・20代・30代・40代・50代・60歳以上で均等割り当て。

長引く経済不況・不景気により、可処分所得が目減りし、食生活にも色々と気を使わねばならなくなった世帯も多い。月次の外食産業のレポートでほぼ毎月コメントしていることからも分かるように、「外食は贅沢だから出来るだけ切り詰める」という動きが加速している(【「夕食節約のために何してます?」の回答と、小売・外食産業の現状との微妙な関係】など)。また、自炊・中食の浸透で、自宅で料理を作る機会が増え、それに伴い料理関連の機材や情報が人気を集めている傾向も見逃せない(【「夕食何にしようか?」一番参考にするのは口コミサイトや雑誌では無くて……】)。

それでは具体的に、個人個人は食生活にどのような変化が生じたかと認識しているのだろうか。与えられた選択肢に複数回答形式で答えてもらい、回答率が10%を超えたもののみを抽出して作ったのが次のグラフ。多種多様な面で食生活に変化が生じているのが分かる。

あなたの食生活は、長引く経済不況によりどのように変化しましたか(10%超の回答のみ)
あなたの食生活は、長引く経済不況によりどのように変化しましたか(10%超の回答のみ)

一番目立つ回答は「家庭での食事が増えた」と「外食の回数が減った」。両者ともほぼリンクする内容といえる。外食そのものが否定されたわけではなく(気分転換や食事の用意が面倒な時、自分の作れない料理を手っ取り早く口にしたいときなど、存在意義は山ほどある)、目に見える部分のコストが重要視される昨今では、「外食→中食・内食」への動きも致し方なしというところだろう。

居酒屋イメージまた、主にサラリーマンにとっては「飲みに行く回数が減った」「ビールより発泡酒・第三のビールを買うことが多くなった」は切実な問題といえる。疲れをいやす場面・時間にも、不景気の波は押し寄せているということだ。

気になるのは「買い物の仕方」の項目で、「国産商品の購入」と「安全性より価格重視」が相並んでいること。必ずしも「国産=安全」「外国産=危険」では無いが、状況によっては相反する項目であるだけに、買い物において苦悩する実情が見え隠れしている。あるいは「プライベートブランド」の人気の高まりも、この両項目の要望を満たしているからなのかもしれない。



経済(政策)動向を見る限りでは、今しばらくは財布のヒモをキツくしめねばならない状態は続きそう。それ従い、食生活に対する姿勢も現況を継続する必要に迫られそうだ。

とはいえ、冒頭でも触れたように(結果論ではあるが)自炊のスキルが上がったり、家族とのだんらんの時間が増えたり、食生活に対する知恵を積み重ねることができるなど、マイナス要素ばかりとは言い切れない。ポジティブに物事を考える姿勢をとれば、モノの見方も少しずつ良い方向に変わっていくに違いない。



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