企業社員がおススメする「選挙特番」ランキング

2009/09/18 05:33

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選挙イメージ[トヨタ自動車(7203)]や【東京電力(9501)】など大手企業40社(2009年9月11日現在)から構成される「優良放送番組推進会議」は2009年9月17日、独自に参加企業の社員に対して行ったアンケートの調査結果による「第6回アンケート調査結果・選挙特番ランキング」を公表した。それによると、トップについた番組は平均点・回答者数・合計点すべての項目においてNHK(系列、以下略)の「衆院選2009開票速報」であることが明らかになった。番組の特性からかトップ以外の各特番の平均点が低く、必然的に合計点もトップが独走し、民放各局の番組はほぼ横並びになる結果が出ている(【発表リリース】)。



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「優良放送番組推進会議」とは大手企業(要はテレビ放送のお得意様的スポンサーとなりうる企業)から構成されている団体。設立主旨は「日本の混迷状態の一因は、世界の情勢から大きくかけ離れているテレビ放送にある。しかし単純に良し悪しを判断すると表現の自由にかかわる問題となる。そこで『良い番組』を推挙すれば、番組の向上に役立つだろうと判断。放送番組動向に関心のある企業が調査に協力して世間に結果を公表することで、間接的にテレビ放送に対する『意見具申』をして優良な番組展開が期待できる」というもの。当初構成社数は26社だったが、最新データでは40社までに増えている。

今調査は参加企業の社員567人に対し、2009年8月30日に放送された6の選挙特番に対し、任意に番組を選んでもらい、5段階評価(3:とても興味深く推薦したい、2:興味深く推薦したい、1:普通、0:特に感想が無い マイナス:マイナス評価(集計上はゼロ扱い))を依頼し、その平均得点で順位を決定する。選択されない番組は「見向きもされない」「知らないので評価できない」ということでゼロ扱い。年齢階層、男女比などは非公開だが、各番組への投票結果では20代から60代以上まで20歳くぐり・男女別の区分(m1-m3、f1-f3)が内部的に行われていることが確認できる。

詳細な一覧はリリースにあるが、ここではいくつかの要素を抜き出してみることにする。まずは全番組の平均点順位、回答者数順位の上位5位(回答者数順位は5位が同点なので6番組)をグラフ化する。

平均点順位
平均点順位

回答者数順位
回答者数順位

平均点は「投票した人の」点数平均。知名度の高さとはまた別で、評価した人の評判の良し悪しを示す。極端な話、一人だけしか投票せずに「3」の評価を入れればその番組は「3」の平均点を確保できる。

一方「回答者数」は567人のうち何人が投票したか。いわば良し悪しを別にした「知名度」(どれだけ知られているか)とほぼ意味を同じくする。もちろん回答者数が多くても評価が低いのなら得点は低くなるので、平均点は下がる。回答者数上位に入っていて、平均点上位に姿を現していない番組は、評価の内容が幅広い(良い評価もあれば悪い評価もある)ことを意味する。

今回は選択できる番組数が6本しかなく、しかも同時期に見られているはずということで、これまでの調査結果とはかなり傾向が異なる結果となってしまっている。本数の少なさが幸いしてか、最下層の番組「審判の日-どこでだれが未来を変えるのか-」でも336人が回答しており、「回答者数が少ないのに高評価をつける人が多く、支持者絶対数が少ないのに平均点で上位に来てしまう」という問題児的な上位番組は見られなかった。

また、同時間帯に放送されているにも関わらず、これだけ多くの回答者数が挙がっている。一人が一局のみに集中して観ているのなら、回答者数はもっと少ないはず。したがって各自数局にまたがって(ザッピング的に)観ていたことになる。

「評判」と「知名度」、双方を加味するには「多くの人からたくさんの点数・高評価をもらえたかどうか」、言い換えれば「得点総数」を見る必要がある。知名度が高くても各回答者数の評価(得点)が低ければ得点総数は低くなるし、評価が高くても知名度が低ければやはり得点総数は上がらないからだ。その得点総数こと「合計点」の表が次の図。

合計点順位
合計点順位

合計点では「衆院選2009開票速報」が他の番組に大きな差をつけて705ポイントでトップ。次いで「ZERO×選挙2009」「選挙ステーション2009」などが続く。

今回ランキングの対象となる番組は1局1つしかなく、しかもまったく同じ時間帯に放送され、情報ソースが「選挙結果」という同じものであるため、際立った傾向が見えてこない。あえて挙げるとすれば(半ば繰り返しになるが)、

・一人の視聴者が複数番組をかわるがわる観ていたらしい(同時間帯に放送されているから)
・NHK以外の民放各局の平均点が、他のジャンルの番組と比較しても極めて低い

などとなる。特に後者は情報ソースが同じであるとはいえ、前回の【企業社員がおススメする「民放」クイズ番組ランキング】と比べても低い有様。選挙をエンタメ化しろ云々というのではなく、もう少し「興味関心が沸く、他人に推薦できる番組構成にならないものか」という視聴者の声が聞こえてきそうだ(あるいはそれだけ番組構成の姿勢にウンザリしているのかもしれない)。



さて次回調査はスポーツのみを扱う、ニュース形式のレギュラー番組に限定した「スポーツニュース」に関するアンケートが行われる。生中継を除く、夜に「今日一日のスポーツダイジェスト」的な形で放送されるアレだ。仕事で日中働いている人にとっては、一日のプロスポーツの結果などを概要的だけでも把握できるありがたいジャンルだが、果たしてどの番組が高い評価を集め、人気を博しているのだろうか。



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